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南フランス・ニーム(Nîmes)の魅力とは?ローマ遺跡とデニムの発祥地で暮らして感じたこと

  • Writer: Haruko Sauzedde
    Haruko Sauzedde
  • May 4
  • 4 min read

南フランスの街・ニーム(Nîmes)は、「フランスのローマ」とも呼ばれる、歴史の香りに包まれた美しい街です。

現在このニームで暮らす私は、日々の生活の中で観光ガイドには載っていない魅力にも触れています。

この記事では、ニーム観光の見どころや、実際に住んで感じたおすすめポイントをご紹介します。






パリから、陽光あふれる南フランス・ニームへ


コロナ流行直前の冬、私は南仏への一人旅でニース(Nice)やモンペリエ(Montpellier)などを訪れました。そのとき感じたのは、太陽の光がもたらす心地よさと明るい街の雰囲気。それ以来、「いつかこんな南フランスに住みたい」と思い続けてきました。


当時はパリ郊外のフォンテーヌブロー(Fontainebleau)に住んでおり、冬の寒くて雨が多い気候に気分も沈みがちでした。気象データによると、この地域の年間日照時間はフランス全土でも10番目あたり。もっと日差しのある場所で暮らしたいと願うのも無理はありませんでした。


約2年をかけて、ニースからペルピニャン(Perpignan)までの南仏エリアを中心に、パリとのアクセスが良く、交通の便が整っている街を探し、最終的に「ニーム(Nîmes)」に決めました。TGVでパリ・リヨン駅から約3時間半という好立地に加え、オクシタニー地方はフランス国内でも有数の日照時間を誇る地域。まさに理想的な移住先でした。



ローマ時代の面影を残す「アリーナ・ド・ニーム」(Arènes de Nîmes)


観光客でにぎわうアリーナ・ド・ニーム。2000年前に建てられたこの円形闘技場は、

今も様々なイベントが開催される“生きた遺産”です。



ニームのシンボルとも言えるのが、紀元1世紀に建造された円形闘技場「アリーナ・ド・ニーム」です。この遺跡は、現存するローマ時代の闘技場の中でも保存状態が非常に良く、今もさまざまなイベントが開催される会場として活用されています。


つい最近も、フランス人テニス選手ガエル・モンフィスとウーゴ・アンベールによるエキジビションマッチが開催され、私も観戦に行きました。赤土のコートが設置されたアリーナで熱戦が繰り広げられる中、突如、ひとりの観客が力強く「マルセイエーズ(フランス国歌)」を歌い出したのです。

その歌声は波紋のように広がり、まわりの人々が次々に声を重ねていきます。


やがて観客席全体が大合唱となり、試合の興奮と相まって、会場は熱気に包まれました。

その高まりの中、選手たちも肩を組み、コートの上で観客と一緒に声を合わせ始めます。

会場全体がまるでひとつの大きな鼓動のように、深い一体感に包まれた感動的な瞬間でした。



古代ローマの闘技場で開催されたテニスエキシビションマッチ。赤土のコートに、満員の観客が熱狂。

過去と現在が交差する、感動の瞬間でした。


観光地としてだけでなく、地元の人々の誇りでもあるこの場所は、「ニーム観光」では絶対に外せないスポットです。



デニム生地の発祥地「de Nîmes」


ジーンズの代名詞である「デニム(Denim)」という言葉が、実は「de Nîmes(ニーム産の)」に由来していることをご存知ですか?


17世紀、ニームで生まれた織物「Serge de Nîmes」は、やがて綿素材の生地へと発展し、地中海地域やヨーロッパ各地に広まりました。さらに、アメリカに渡ってジーンズという形で世界中に普及することになります。


ニームでは、今もこの伝統を継承するブランド「Ateliers de Nîmes」が、持続可能で高品質なデニム製品を手がけています。化学薬品を使わず、伝統的な手法で織られた二重撚り糸を用い、水の使用量を抑えるなど、環境に配慮した製造を行っています。


詳しくはこちら:👉 https://ateliersdenimes.com/pages/projet



車で1時間圏内に名所がぎっしり!ニーム周辺の観光スポット


ニームはその立地の良さも魅力の一つ。車で1時間以内で訪れられる観光地が豊富にあります。



(左)ポン・デュ・ガール、美しい渓谷の中に堂々と架かる姿は圧巻です。

(中)ユゼスのマルシェ、友人たちと出かけました。

(右)サン・レミ・ドゥ・プロヴァンスでハイキングをしました。



  • ポン・デュ・ガール(Pont du Gard):ローマ時代に建造された巨大な水道橋で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。


  • アルル(Arles):ローマ遺跡とゴッホゆかりの地


  • アヴィニョン(Avignon):法王庁宮殿と有名な橋がある中世都市


  • ユゼス(Uzès):可愛らしい旧市街と土曜のマルシェが人気


  • サン・レミ・ドゥ・プロヴァンス(Saint-Rémy-de-Provence):ゴッホが療養した穏やかな街並み



この様に、自然・歴史・アートが見事に融合した南フランスの旅を楽しむ拠点として、ニームは絶好の場所です。

これらの街の魅力についても、今後少しずつご紹介していく予定です。お楽しみに!



おわりに:違った角度から見るフランスの魅力


ニームはローマ時代の遺産と現代の暮らしが融合する、ユニークな魅力を持つ街です。観光地としても、生活の場としても、多くの人にとって魅力的な場所だと実感しています。


パリからもアクセスしやすく、気軽に足を伸ばせる南仏の街、ニーム。

ぜひ一度訪れてみてください。

きっと、いつもとは少し違うフランスの表情や文化の息づかいを感じていただけると思います。









 
 
 

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